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-島歩き- 小豆島おもしろ草子

小豆島むかし話の最近のブログ記事

カメ女

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カメ女


カメ女と言っても以前書いたヘビ女と同じように、カメを食う女の人の話ではない。 時は鎌倉時代。鎌倉幕府5代執権であった北条時頼は、その職を長時に譲って出家し、最明寺入道と名乗って全国を行脚したのである。 その時に立ち寄った小豆島。中山の地(現小豆島町中山)で病にかかり道端で倒れていた。

村人A「なんじゃ~、汚い坊さんが倒れとるぞ。」
村人B「ほんまじゃ。ぼんさんが倒れとる。」
村人C「死んどんちゃうか?」
村人A「いいや、まだ生きとるみたいじゃぞ。」

時頼を囲み村人がワイワイ言っていたところに通りがかったのがカメと言う名の女の人。
男勝りで気風がよく、面倒見がいいので村人からも頼りにされいてるおばさんだった。

カメ「あらま、坊さんが倒れとるやないか。お前ら、ちょっとうちの家まで運んでおくれ。」

と、いう訳でカメは病に倒れた時頼の面倒を見ることになった。
カメの懸命の看病で、日に日に時頼は快方に向かい、ようやく起き上がれるようになったのである。

カメ「よかった、よかった。起きれるようになったのぅ。衣は洗濯しといた。フンドシも洗ってやろ。」
時頼「い、いや。それはいいから。」
カメ「遠慮するな。洗ってやるから。」
時頼「いやん(*ノノ)」

体調もすっかりよくなった時頼。いよいよ旅立ちの時になって、正座をしてカメにこう言った。

時頼「今までずいぶん世話になった。隠していたが、わしは先の執権、北条時頼じゃ。」
カメ「うそをつくな。このクソ坊主が。」
時頼「ほ、ほんまじゃ。そこで礼と言ってはなんだが、お前に小豆島一国をやろう。」
カメ「ほんまけ?そやけど小豆島もろても広すぎるからいらん。」
時頼「それでは、池田の庄をやろう。」
カメ「それでも広すぎるからいらん。」
時頼「えーと。それでは中山ではどうじゃ?」
カメ「それなら貰てやってもえい。」
時頼「では、証文を書いてやろう。で、中山は良い米が取れる。米の字を分けて八木と名乗るがよい。」
カメ「あんた、ほんまに時頼様け?」
時頼「ほんまじゃ!」

そう言う訳でカメは八木カメとなり、中山の領主となったのである。
その後、代々八木家は中山を治めたが島原の乱の後、幕府の命により領民を連れて島原に移住。
素麺の製造技術を伝え、島原で莫大な財を成す。
現在もその子孫は島原に住み、広大な敷地に八十八ケ所霊場を作っているほどである。
尚、時頼より賜ったとされる刀が一振り、現在も小豆島にあるという。

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袖もぎさん

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袖もぎさん

丸金醤油を坂手方面に向かうと、右カーブの上り坂にさしかかる。
その坂を上がりきったところの左側は崖になっているのだが、今はコンクリートで崖を固めていて歩道がつき、上がれるようになっている。
この崖の上に、地元のプロレタリア文学作家「黒島伝治」の文学碑があり、そこからは丸金醤油の工場と内海湾を見渡せる、隠れたビュースポットになっている。特に、春には桜の花が咲き乱れ絶景である。

「黒島伝治文学碑」の手前に、「延命地蔵」と看板がかけられたお地蔵様があるのだが、この「延命地蔵」は「袖もぎさん」とも呼ばれている。
「袖もぎさん」とは民間信仰的な路傍の神様で、その前で転んだら片袖をちぎって置いてこないと災いが降りかかるという言い伝えがある。要するに、「気を付けて通りなさい」という、一種の交通安全の神様(柴神)なのだ。神様なのに、水木しげるの「憑物百怪」に載っている。
町立図書館にある「内海の神々」という本によると、小豆島にある「袖もぎさん」はここだけらしい。

で、「袖もぎさん」を検索してみると面白いのを見つけた。
*"bus"単語的解釈
【ソ・デモギサン】タヒチ語の亜流であり、15世紀後半にほぼ絶滅したネムーセヌ語(ポリネシア語派)で、「どちらかといえば、内股。」の意。

私が例によって想像(妄想)するに、「どちらかといえば、内股」の人は、転びやすい。
柔道家や相撲取りは下半身を安定さすために「どちらかといえば、ガニ股」である。
もしかすると、この【ソ・デモギサン】が日本に入り、「どちらかといえば、内股」の人は転びやすいから気をつけなさいという意味で、「袖もぎさん」信仰が始まったのかもしれない。

以下次号

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ヘビ女

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ヘビ女

私は「ヘビ女」を見たことがある。
ヘビ女といえば「楳図かずお」。あのマンガは怖かった。夜中に天井裏を這いまわる姿は恐怖だった。
楳図かずおの恐怖マンガはトラウマになるほどで、他にも全身に包帯を巻いた男が子供を追いかける話が少女フレンドだかマーガレットだかに連載されてて、幼稚園児のころ3歳上の姉がそのシーンが書かれたページを開いて私を追いかけまわした。
私は恐怖で便所に逃げ込んだ記憶がある。ひどい。

それはさておき、私が見たのはマンガではなく実物のヘビ女である。
小学生のころサーカス団が小豆島にやってきた。秋祭りで太鼓台を奉納する安田という所の馬場にテントが張られた。私は祖父に連れられて見に行った。
サーカスは綱渡りとかで、そんなに大したものではなかったが、その隣に見世物小屋のようなものがあった。
そこに入ると、着物を着た女の人がヘビを巻き付けて踊っていた。踊りが終わると、薄汚れたボロ着の女の人が出てきて、着物を着た人が「この娘は山奥で狼に育てられた」とかなんとか説明をしだした。
その説明の途中に、ボロ着の女の人がいきなりヘビをつかまえて食った!
ヘビを食ったのである!凄い!
すると着物の人が「これこれ、おやつはまだですよ。」と言ったのである。
おやつ!ヘビは、おやつですか!
するとなんですか!遠足の時、担任の先生が「おやつは200円まで。ヘビはおやつに含まれます」と言うんですか!
私は驚愕した。ヘビとバナナは同類なのか。
その後、ボロ着の人が火を吹いて出し物は終わった。

外に出ると「カッパ沼」と書かれた立て札があり、直系1mほどの水溜りがあったがカッパは出なかった。ちょっと悲しかった。

以下次号

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かぼそ

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小豆島の妖怪

去年「水木しげる記念館」というところに行ったのだが、実に面白かった。
子供のころから「ゲゲゲの鬼太郎」をテレビで見ていたので、「おお!ぬらりひょんだっ!」とか
「ぬりかべはでっかいなー」とか、ひとりではしゃいでて同行メンバーがドン引きだった。

で、小豆島の妖怪。
残念なことに、小豆島ではほとんど「妖怪」に関する話は聞いたことがない。
ただ「かぼそ」という話だけは聞いたことがある。
「かぼそ」というのは何なのか、はっきりとは理解していない。
なんとなく「河童」のようなものじゃないかと、勝手に思っているのだが間違っていたら指摘して頂きたい。
かぼそに関して、こんな話がある。

昔、親戚の家でごちそうになった人が、夜になって家に帰る途中、空き地の前を通るとなにやら騒がしいので、何事かと思いよく見るとお寺の小僧さんが数人、相撲を取っていました。
と、その中のひとりが「おっさん、相撲とらんか?」と誘ってくるではありませんか。
なんじゃ、こんな子供に負けるか、とばかりに「よっしゃ、いっちょ相手してやる」と、相撲を取ることになりました。
小さな小僧さんなので簡単に投げとばすと「おっさん、もいっちょ!」と言って、小僧さんはまたかかっててきます。
また、ぽいっと投げとばすと「もいっちょ!」と、またまたかかってくるのです。また、ぽいっと投げとばしました。
ところが小僧さんは何度でもかかってきます。そして投げとばすたびに少しずつ大きくなっているではありませんか。
やがて、どんどんでっかくなって、最後には大入道になりました。
「あぎゃぎゃぎゃ~!」と、驚いて腰を抜かすと、大入道はお土産の重箱をさっと横取りしてどこかに消えてしまいました。

これが「負けるバージョン」なのだが、「勝つバージョン」もあるらしい。
「勝つバージョン」では、小僧さんが「まいった、まいった。この金の玉をやろう」と言って、光かがやく金の玉をくれる。「誰にも話してはいかぞ」と口止めをされるのだが、帰りについうっかり友人に話してしまって、せっかく貰った金の玉が石ころになってしまった。と言う話。
これは、高校の先輩の某氏に教えてもらった。

同じような話で「極楽寺の豆タヌキ」というのもあるらしい。

以下次号

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プロフィール

紅雲亭 一葉
プロレタリア文学作家の血を引く佃煮屋さん。
読む人をして声を出して笑わせしめる天賦の文筆力を授かる。 その文章に根強いファンが増えるはず。

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