ヘッダーをスキップ

-島歩き- 小豆島おもしろ草子

昇竜伝説5

| コメント(3) | トラックバック(0)

suiten.jpg

昇竜伝説5

池田から中山へ向かう曲がりくねった道は、今はきれいに整備されている。
とは言え、かなりの勾配がある道だ。道路整備がなされていなかった昔は、中山地区は恐らく島内でも秘境の地だったのだろう。明石城主だった高山右近がここに隠匿し、隠れキリシタンが多くいた、というのも頷ける。
上り坂がようやく終わり、真直ぐ行けば中山集落に入る。

「一葉さん、その道を右に入ってください。」

助手席で紫蘭さんが言った。
言われた通り右に折れ、集落を離れて殿川ダムの上流に向かう。
この道は、湯舟山に向かう道だ。
湯舟山は、日本名水百選のひとつに数えられるほどの美味しい水が湧き出している。
この名水は棚田に流れ、美味しい米を育むのである。

「ええと、もう一度右ですね。護国寺方面です。」
地図を見ながら紫蘭さんが言った。

「護国寺に湧き出る水は、弘法の滝とも言うんですが、最近は名水百選の湯舟よりも人気があるらしいです。」
「そうなんですか?」
「護国寺に向かう道端に水汲み場があって、なんでも料理屋さんや寿司屋さんが、わざわざ水を汲みにくるようですよ。」

やがて道は細くなり、勾配もきつくなってきた。と、なにやら赤い橋が私の目に飛び込んできた。

「紫蘭さん、あの赤い橋は何ですか?」
「あれは水天宮です。」
「水天宮?」

道端に車を停めて、橋を渡る。橋の上から見る風景は、ここが小豆島だろうかと疑うような場所だ。
川の中に巨石がごろごろと転がり、その間を水が溢れんばかりに流れている。
橋を渡り切ると小さなお堂があり、水天宮と書かれていた。
そのお堂から少し離れた所に、なにやら注連縄をされた巨石がある。
磐座だろうか?と、思い近づいて驚いた!

「し、紫蘭さん!こ、これは!!!」
「何かありましたか?」

その巨石の隣にある石には「毘盧遮那大龍神」と彫られているのである!

「これは・・なんと読むんですか?」
紫蘭さんが、興味深げに尋ねた。
「・・・ビルシャナです。」
「ビルシャナ?」
「ええ。輝き照らす・・宇宙そのもの。仏教でいう大日如来です。」
「大日如来!で、でも後ろに大龍神と付いてますよ?」
「それなんです。・・それがわからない。しかし、ここが龍神と関係があるところのようですね。」

以下次号

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://www.olive.or.jp/mt4/mt-tb.cgi/1398

コメント(3)

神々はお隠れになりましたか?
次の展開待ってます。

この写真は間違いなく神霊写真です。

神霊写真??ですか?

心霊写真ではなく?

コメントする

プロフィール

紅雲亭 一葉
プロレタリア文学作家の血を引く佃煮屋さん。
読む人をして声を出して笑わせしめる天賦の文筆力を授かる。 その文章に根強いファンが増えるはず。

最近のコメント

アーカイブ