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おぜんざいのサービスを始めてから、
毎日囲炉裏がとてもにぎわう。
果実酒の減りも早い気がする。
このままではお客さんに追いつかない
と気付き、あわてて仕込む。
今日はネーブルと生姜を。
…三ヶ月待ってね。

冬の夜に集い、ひと時を共にするお客さん。
うっとりとした空気を背負って、黒子する喜びよ。
聴こえてくるピアノと、リクエストと、唄う声。
今宵お客さんが口ずさんだのは、おぼろ月夜。
はるかーぜそよふぅく そーらーをみればー
ゆうづーきかかりぃて にーおーいあわしー
こんな時間、こんな場所、私は涙が出そうに嬉しい。

今朝、初めて魚の仕入れについて行き、
生きた魚と、朝に働く人の、輝く顔を見る。
私の知らなかった時間帯の美しさに、悔しさがつのる。
と同時に、これが口に届いた幸せの顔を見る誇らしさと、
そう届ける責任も。
全ては喜びでつながっているよう。


設備のメンテナンス日として、時々設けられている休館日。
ホームページの日誌に、「スタッフもメンテナンス日」なんて
あるじが上手いこと言っていた昨日、今年最初のお休みに
私は宿の元スタッフの友人と高松へ、すっきりメンテナンス。
ショッピングなどそっちのけで、おしゃべりの花は咲き乱れる。
ひと時でも志を共にした相手とは、久々に会っても変わらない。
気持ちは上向きにならざるを得ず、お休みを正しく過ごした気分。

菜の花が宿の中に生けられ、お料理にも使われ始めた。
やっと冬らしくなってきたばかりでも、菜の花を見ると心浮かれる。

天気は良いのに、風が冷たく強い。
お迎えに出て、鼻の先が赤くなるこの感じ。
洗いものをして、指先が荒れてくるこの感じ。
島にもようやく冬がやってきた。
今日の私のお客さんは、どちらも北海道から。
向こうはさらに20度くらい寒いそう。

家に帰れないならと、家の方が島にやってきた。
一緒にごはんを食べて、順番にお風呂に入って、寝るだけ。
その間にもとどまることのない、とりとめのないおしゃべりは、
抱負のようでもあり、決意のようでもあり、自分に言うようでもあった。
家族と会うということは、年の初めに必要な、良い行いだな。
自分のルーツと、今と、これからを見るような不思議な感じがした。
お正月にご家族連れが多いわけです。
それが家でなくても、一緒に過ごすことに価値があるのかも。
過ごしたいと思ってもらえるようにあるということも、また価値。

といえど、いたって普通の業務です。
予約電話番の私の隣に、おせちの残りのさしいれ。
こんなところになんとなくお正月の気配。
受話器をとって「あけましておめでとう」を言うのは、
今日だけの特権。知らない人と瞬間を共有できる喜び。
高速道路の上や、初売りの店内、ご自宅の団欒の中から
かかる電話の向こうの「お正月」の気配。
電話番もいいものだな。
さぁ今年も、健やかで幸せに過ごしましょう。